2026.07.24

脱毛サロン開業時の料金設定|コース料金のメリット・デメリットを解説

脱毛サロン開業時の料金設定|コース料金のメリット・デメリットを解説

脱毛サロンを開業するとき、最初に頭を悩ませるのが「料金設定」ではないでしょうか。

私のもとには、開業を控えた方や開業直後のオーナー様から、「料金体系で迷っています」というご相談が本当に多く寄せられます。その中でも特に多いのが、コース料金(コース契約)にするか、都度払いや回数券にするかという質問です。

今回は、私自身が現場で見てきた経験をもとに、脱毛サロンにおける「コース料金」のメリット・デメリットを整理します。そして、失敗しないためのポイントもお伝えします。

この記事の内容はYouTubeでも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

1.そもそも脱毛サロンの「コース料金」とは?

1.そもそも脱毛サロンの「コース料金」とは?

コース料金とは、「全身脱毛○回コース:○万円」のように、一定回数の施術をまとめて契約していただく料金体系のことです。

私が支援してきたサロン様の多くも、看板メニューとしてコース料金を導入しています。理由はシンプルで、開業初期のキャッシュフローを安定させやすく、お客様の通い続けるモチベーションも保ちやすいからです。

コース料金の基本的な仕組み

一般的なコース料金は、以下のような構成になっています。

  • 全身脱毛 6回コース
  • 全身脱毛 12回コース
  • VIO+顔 6回コース など

契約時に一括または分割でお支払いいただき、お客様は決められた回数まで施術を受けられる仕組みです。

他の料金体系(都度払い・回数券・月額制)との違い

料金体系特徴用途
コース料金6〜12回などまとまった回数を契約継続来店が見込める
都度払い1回ごとに料金を支払う新規のお試し導線として

それぞれに一長一短があり、どれが正解というものではありません。私自身、サロン様の規模や立地によって推奨する料金体系を変えてきました。

2.コース料金のメリット

2.コース料金のメリット

1. 売上が前倒しで入る(キャッシュフローが安定)

これが最大のメリットだと私は考えています。

開業直後のサロンが一番苦しいのは、家賃・人件費・広告費は毎月発生するのに、売上は予測しにくいという点です。コース契約をいただければ、契約時に売上の大部分が確定するので、運転資金の見通しが立ちやすくなります。

「1店舗目を出して半年で資金繰りに悩んだ」というお話を、私は何度も聞いてきました。コース料金は、その不安定さを和らげる強い味方になります。

2. 顧客の継続率が高くなりやすい

脱毛は1回で終わるものではなく、毛周期に合わせて複数回通っていただく必要があります。

都度払いの場合、お客様は「次は2ヶ月後でいいかな」「予算的に厳しいから今月はやめておこう」と先延ばしになりがちです。一方、コース契約をいただいていると、お客様自身も「使い切らないともったいない」という意識が働きます。そのため、計画的に通ってくださる傾向があります。

しっかり通っていただけるので肌の変化も感じやすく、満足度の高い循環が生まれやすくなります。

3. スタッフのスケジュール管理がしやすい

コース契約のお客様は来店ペースをある程度予測できるため、スタッフの稼働率を計画的に管理できます。

1人サロンや小規模サロンほど、この点は大きな利点だと感じています。私が支援している小規模サロン様の中には、月初にコース契約のお客様の予約枠を埋めてから、新規枠を開放しているところもあります。

4. 価格訴求がしやすく集客がスムーズ

「全身脱毛6回 ○万円」のように、コース料金は一見でわかりやすい価格訴求ができます。

ホットペッパービューティーやSNSなどで広告を出す際にも、コース料金は比較されやすく、興味を持っていただきやすい強みがあります。

3.コース料金のデメリット・注意点

3.コース料金のデメリット・注意点

ここまでメリットを挙げてきましたが、コース料金には注意すべきデメリットもあります。むしろここを軽視して導入すると、後から大きなトラブルになりかねません。

1. 解約・返金リスクへの対応が必要

コース契約は、中途解約が発生し得るものです。

体調・引っ越し・出産・転職など、お客様の事情で通えなくなるケースは必ず出てきます。その際に未消化分の返金請求が来るので、解約規定や返金計算をあらかじめ明確にしておかないと、トラブルに発展します。

私のもとには「解約対応でお客様ともめてしまい、口コミに書かれてしまった」というご相談も少なくありません。

2. 特定商取引法(特商法)の対応がマスト

ここは特に注意していただきたい点です。

脱毛サロンの契約は、契約金額が5万円超・契約期間が1ヶ月超になると、「特定継続的役務提供」として特定商取引法の対象になります。守るべきルールは、中途解約権の明示や概要書面・契約書面の交付、クーリング・オフ規定などです。いずれも法令で定められているため、必ず対応しましょう。

「知らなかった」では済まされない領域です。コース料金を導入する前に、必ず契約書面を専門家にチェックしてもらいましょう。

3. 顧客満足度を維持しないと口コミに直結する

コース契約をいただいた後、お客様が施術結果に満足できなかった場合、不満が大きくなりやすいのもコース料金の難しさです。

「ある程度の金額を払ったのに変化が感じられない」というクレームは、口コミやSNSにつながりやすいものです。サロン経営に大きなダメージを与えかねません。これを防ぐためには、施術品質を担保できる機器選び・スタッフ教育が欠かせません。

私がいつもお伝えしているのは、「料金体系と機器の信頼性はセットで考えるべき」ということです。

4. 初期はキャッシュが入るが、利益計算には注意

コース契約で前払いをいただくと、目の前のキャッシュが増えるので「儲かっている」感覚になりがちです。

しかし会計上は、施術が終わるまで「前受金」扱い、つまり負債としてカウントされます。施術コスト・ランプ代・人件費を計算に入れると、実際の利益率は契約金額より低くなります。

ここを誤解して経費を使いすぎてしまうと、後で運転資金が足りなくなる、という落とし穴があります。

4.コース料金が向いているサロン・向いていないサロン

向いているサロンの特徴

  • 駅近・繁華街など、お客様の継続来店が見込める立地
  • 客単価をしっかり積み上げたいサロン
  • リピート率を上げて経営を安定させたいサロン
  • 一定の施術品質を担保できる業務用脱毛機を導入しているサロン
  • 接客・施術品質に自信があるオーナー

向いていないサロンの特徴

  • 開業直後で施術スタッフのスキルがまだ未熟なサロン
  • 自宅サロンや少人数で、解約対応の事務処理にまで手が回らないサロン
  • 観光地など、お客様が一過性の利用になりやすい立地
  • 出力が弱く、施術満足度が出にくい機器を使っているサロン

特に最後の点は私が強くお伝えしている部分です。低価格・低パワーの機器でコース料金を取ると、「思ったように変化を感じない」というクレームに直結します。

5.コース料金で失敗しないための4つのポイント

1. 解約規定を明文化する

中途解約時の返金計算・違約金の有無を、契約書面に必ず記載しましょう。法令で求められている内容なので、ネット上のテンプレートを流用するのではなく、専門家のチェックを受けることをおすすめします。

2. コース回数は欲張りすぎない

18回・24回といった長期コースは、客単価は上がりますが、解約リスク・満足度トラブルのリスクも比例して上がります。私の経験では、6回〜12回程度に絞った設計のほうが、お客様にも納得いただきやすいです。結果として、経営も安定します。

3. 機器選びで「施術満足度」を担保する

「通って良かった」と感じていただける機器を選ばないと、コース契約は逆に重荷になります。

ハイパワーで照射スピードが速い業務用脱毛機なら、お客様の満足度も上がりやすく、回転率も改善できます。コース料金は、機器の信頼性が大前提だと私は考えています。

4. 都度払い・回数券との組み合わせを検討する

コース料金「一本」で勝負するのではなく、「お試し都度払い → 気に入ったらコース契約」という導線を作りましょう。そうすれば、新規のお客様にも入っていただきやすくなります。コースの押し売り感も薄れるので、口コミ評価にもプラスに働きます。

6.コース料金についてよくある質問

法律上、何回までのコース設定が可能ですか?

回数自体に法律上の上限はありません。ただし、契約金額が5万円超・契約期間が1ヶ月超になる場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当します。この場合、契約書面の整備・中途解約規定が必須です。

コース料金と回数券は何が違いますか?

明確な法的区分があるわけではありませんが、一般的には「コース料金=期間内に決められた回数の施術を受ける契約」というイメージです。一方の「回数券」は、期間制限のない、または緩い前払いチケットを指すことが多いです。実際には、契約金額と契約期間によって特商法の対象になるかが決まります。

解約時の返金計算はどうすればよいですか?

特定継続的役務提供に該当する場合、中途解約時の返金額計算は法律で定められています。「未提供分の対価」から「規定の解約手数料」を差し引いた金額を返金するのが原則です。詳細は消費者庁・経済産業省のガイドラインや、消費生活センターの相談窓口で確認するのが確実です。

7.私の総評:料金設定は「機器の信頼性」とセットで考える

ここまでコース料金のメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、最後にひとつだけ強調しておきたいことがあります。

それは、料金体系の選択以上に、「機器そのものの信頼性」が経営の成否を分けるということです。

どんなに優れた料金プランを設計しても、「お客様が施術効果を実感できない」「施術中に痛みが強い」といった機器側の問題が出ることもあります。そうなると、コース契約は不満の温床になってしまいます。

逆に、効果が高く施術時間の短い業務用脱毛機を使っているサロン様なら話は別です。コース料金はキャッシュフロー・ベッド稼働率・顧客満足度など、あらゆる面でプラスに働きます。

「コース料金を導入するかどうか」だけでなく、「その料金に見合う施術品質を提供できる機器を使っているか」もぜひセットで見直してみてください。

私のYouTubeチャンネル「脱毛ゼミナール」でも、料金設定や機器選びについて発信していますので、よろしければ合わせてご覧いただければと思います。

この記事は脱毛ゼミナール独自の視点で作成したものです。法律に関する記載は一般的な解説であり、具体的な判断は弁護士等の専門家にご相談ください。