2026.03.29

脱毛サロンの倒産はなぜ起きる?原因と失敗しない選び方

脱毛サロンの倒産はなぜ起きる?原因と失敗しない選び方

「脱毛サロンに通いたいけど、倒産したらどうしよう」

「開業を考えているけど、本当にやっていけるのか不安」

そんな悩みを抱えていませんか。

近年、大手脱毛サロンの倒産が相次いでおり、不安に感じるのは当然のことです。東京商工リサーチによると、2024年のエステティック業の倒産件数は過去最多を更新し、年間100件を超える勢いで推移しています。

結論からお伝えすると、倒産した脱毛サロンには共通するパターンがあります。最大の原因は「無期限の通い放題プラン」という持続不可能な料金モデルと、広告費・出店費・人件費の3大固定費の膨張です。この記事を読めば、危険なサロンを見抜くポイントと、開業時に倒産を避けるための経営戦略がわかります。また、この内容は動画でも詳しく解説しています。
YouTubeチャンネル「脱毛ゼミナール」でも同じテーマを動画で分かりやすく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

1. 負債80億円──大手脱毛サロンはなぜ倒産したのか

負債80億円──大手脱毛サロンはなぜ倒産したのか

通い放題46,000人の重み──予約枠の限界

2023年9月、全身脱毛サロン「C3(シースリー)」を運営していた株式会社ビューティースリーが東京地裁に自己破産を申請しました。負債総額は約80億円、債権者は約46,000人にのぼり、脱毛サロン業界では過去3番目の大型倒産となりました(出典:東京商工リサーチ)。

C3の最大の特徴は「一生涯通い放題」という料金プランでした。一見するとお得に感じるこのプランですが、大きな問題を抱えていました。通い放題の契約者が約46,000人にまで膨れ上がり、サロンの施術枠が既存客で埋まってしまったのです。

脱毛サロンでは、1日に施術できるお客様の数に物理的な限界があります。通い放題の契約者が増え続ければ、予約が取りにくくなるのは避けられません。新規のお客様を受け入れる余裕がなくなれば、売上を伸ばすこともできなくなります。

広告費・出店費・人件費──3大固定費の膨張

C3の倒産には「通い放題」以外にも3つの大きな要因がありました。

1つ目は、広告費の増加による経営の圧迫です。
脱毛業界は激しい競争環境にあり、大手サロンはYouTubeやInstagramなどの広告に多額の費用を投じなければ集客が難しい状況です。大手脱毛サロンでは、売上の約30%が広告費に消えるケースも珍しくないとされています。

2つ目は、店舗拡大による固定費の増大です。
C3は関東圏を中心に全国63店舗以上を展開していました。東京商工リサーチのデータによると、C3は2017年7月期に売上高約17億4,000万円を計上しながらも、約10億2,000万円の赤字を記録していました。

3つ目は、新型コロナウイルスの影響です。
コロナ禍による全店休業で収入がゼロになる期間がありました。運転資金が大きく減少し、もともと苦しかった経営がさらに追い込まれたと考えられます。

C3だけではない──相次ぐ大手サロンの倒産

C3の倒産は氷山の一角に過ぎません。近年、大手脱毛サロンの倒産が相次いでいます。

サロン名倒産時期負債総額債権者数
シースリー(C3)2023年9月約80億円約46,000人
銀座カラー2023年12月約58億円約100,000人
ミュゼプラチナム2025年8月約260億円約1,233,000人
(出典:東京商工リサーチ)

いずれのサロンも「通い放題」や「前払い制」のプランで多くの顧客を集めていましたが、集客の鈍化や固定費の増大に耐えきれず、経営が破綻しています。

2. 倒産する脱毛サロンに共通する危険サインとは

倒産する脱毛サロンに共通する危険サインとは

「一生涯通い放題」を掛げるサロンのリスク

私が最も強調してお伝えしたいのが、「無期限の通い放題プラン」を掛げるサロンへの警戒です。

一生涯通い放題というプランには、構造的な問題があります。カウンセリングのスキルがほとんどいらない「誰でも売れる」プランなのです。しかし、新規顧客を獲得し続けなければ売上が立たず、既存の通い放題会員のランニングコストだけが積み上がる構造です。

ただし例外もあります。コース契約後の「無期限保証」として、1回あたりの都度料金の約2割程度の金額でアフターサポートを提供するタイプの保証は、比較的健全なモデルと言えます。

現金一括払いを強く勧めてくるサロンは末期

もう1つの危険サインとして挙げたいのが「現金での一括払いを強く勧めてくる」ケースです。

C3でも、倒産直前にはローンの申し込みではなく現金での支払いを促していたと言われています。これは、会社の運転資金が底をつきかけているサインです。お客様の立場からすれば、信販会社を通した分割払いのほうが支払停止の抗弁が使えるため安全です。

派手な広告・有名人起用の裏側を読む

テレビCMや有名インフルエンサーを使った大規模な広告を展開しているサロンを見ると、「経営が安定している」と感じるかもしれません。しかし、実態はその逆である可能性もあります。有名人の起用やマス広告には膨大なコストがかかり、固定費として経営を圧迫します。

物事の裏側を想像してみることが、騙されないための大切なポイントです。

「無期限通い放題」「現金一括払いの強い勧誘」「過度に派手な広告」は、脱毛サロンが倒産に向かっている可能性を示す危険サインですので注意しましょう

3. 契約者・従業員・経営者──3つの立場から学ぶ教訓

契約者(お客様)が身を守るためにできること

実際にシースリーの倒産時、30万円の契約直後に一度も施術を受けられないまま被害に遭われた方も少なくありません。こうした事態を防ぐ最大の防衛策は、「信販会社経由の分割払い」を選ぶことです。一定の条件を満たせば「支払い停止の抗弁」を主張でき、未受講分の支払いを法的に停止できる可能性があります。また、よりリスクを抑えたいなら、最初から「都度払い」を導入しているサロンを選択するのが賢明です。

従業員が気づくべき「倒産の前兆」

C3では、突然「4日後に運営会社が変わるから、退職するか転籍するか決めてください」と通告された従業員がいたと報道されています。さらに、退職した月の給与が振り込まれなかったケースもあったとされています。

従業員が気づくべき前兆として、「お客様に現金払いを促す社内通達」が挙げられます。もしサロン内で「分割ではなく現金で契約してもらうように」という指示があった場合、経営はかなり末期的な状態にあると考えてよいでしょう。

経営者が絶対に避けるべき料金設計の落とし穴

C3の事例から学べる最大の教訓は、無期限の通い放題プランが自転車操業に直結するということです。新規集客が鈍った瞬間に、固定費だけが重くのしかかります。

私も常々お伝えしていますが、「お金がなくなる=倒産」というシンプルな原則を忘れてはいけません。固定費を最小限に抑え、持続可能な料金モデルを設計することが、経営者にとって最も重要な判断です。

4. 失敗しない脱毛サロンの選び方

失敗しない脱毛サロンの選び方

脱毛サロン選びで失敗したくない方は、私が運営するYouTubeチャンネル「脱毛ゼミナール」でも最新の業界情報を発信していますので、ぜひチェックしてみてください。

都度払い・回数制サロンを選ぶ理由

脱毛サロン選びでもっとも安全なのは、都度払い(1回ごとの支払い)のサロンです。1回分の料金を支払い、その場で施術を受ける形式なので、万が一サロンが閉店しても金銭的な損失はありません。

回数制(6回コース、12回コースなど)のサロンも、無期限通い放題に比べればリスクは低いと言えます。

契約前にチェックすべき5つのポイント

契約前にチェックすべき5つのポイント
  1. 料金プランの持続可能性
    「一生涯通い放題」「無期限保証」といった極端なプランを掛げていないか。そのビジネスモデルが成り立つかどうか、自分で想像してみましょう。
  2. 口コミと予約の取りやすさ
    「予約が取れない」という声が多いサロンは、すでにキャパシティを超えている可能性があります。
  3. 運営歴と会社の信頼性
    長年にわたって安定経営しているサロンは、ビジネスモデルが持続可能である証拠です。
  4. 分割払い対応
    信販会社を通した分割払いに対応しているか確認しましょう。現金一括払いしか受け付けないサロンには注意が必要です。
  5. 解約条件の明確さ
    中途解約の条件や返金ポリシーを必ず確認してください。

信販会社を通した分割払いのメリット

割賦販売法に基づく「支払い停止の抗弁」という制度があり、一定の条件を満たせば、サロンが倒産した際にクレジット会社への残りの支払いを停止できる可能性があります。実際にC3や銀座カラーの倒産時にも、分割払いの利用者が支払い停止を申請した事例が報告されています。安全な脱毛サロン選びの基本は「都度払い」から始めることです。
やむを得ずコース契約をする場合は、信販会社を通した分割払いを選びましょう。

5. 脱毛サロン開業で倒産しないための経営戦略【開業者向け】

脱毛サロン開業で倒産しないための経営戦略【開業者向け】

通い放題に頼らない料金モデルの設計

脱毛サロンの開業を検討している方が最初に考えるべきは、持続可能な料金モデルの設計です。以下のような料金モデルを検討してみてください。

都度払い制
1回ごとの支払いで、サロン側は施術した分だけ確実に売上を計上できます。

回数券・コース制(回数限定)
6回、12回など回数を限定したコースです。コスト管理がしやすくなります。

保証型プラン(有償アフターケア)
コース完了後に、通常料金の2割程度でアフターケアを提供するモデルです。

広告費を抑えて集客する方法

大手脱毛サロンの倒産事例を見ると、広告費の膨張が経営を圧迫した共通の原因として考えられるため、広告費に依存しない集客チャネルを育てることが重要です。

SNS・YouTube運用
InstagramやTikTokでビフォーアフターの写真や施術の流れを紹介するコンテンツは、広告費をかけずに潜在顧客にリーチできます。

SEO対策
「地域名+脱毛サロン」などの検索キーワードに対応したブログ記事を自社サイトで発信すれば、長期的な集客の土台になります。

口コミ・紹介制度
既存のお客様からの紹介は、広告費ゼロでもっとも信頼性の高い集客方法です。

固定費を最小化する経営の考え方

私がお伝えしたいことは「お金がなくなる=倒産」です。そのため、固定費を抑えることが、倒産リスクを下げる最も確実な方法です。

小規模スタートで段階的に拡大:最初から複数店舗を構えるのではなく、1店舗で収益を安定させてから拡大を検討しましょう。

業務用脱毛機選びのポイント
初期費用だけでなく、ランニングコスト(ランプ交換費用、メンテナンス費用など)も含めたトータルコストで比較検討することが大切です。購入だけでなくレンタルやリースという選択肢も検討してみてください。

人件費の最適化
施術スタッフの採用は、予約の入り具合に応じて段階的に行いましょう。

開業で倒産を避けるカギは「通い放題に頼らない料金設計」「広告費に依存しない集客チャネルの活用」「固定費の最小化」の3つです。小規模でサロン経営を始めて、着実に育てていく経営を心がけましょう。

6. まとめ──人の失敗から学び、失敗しない選択を

まとめ──人の失敗から学び、失敗しない選択を

この記事では、負債80億円で倒産した大手脱毛サロンの事例をもとに、倒産の原因と対策を解説しました。負債80億円で倒産した大手サロンの事例は、過度な広告費や「通い放題」による自転車操業の危うさを物語っています。利用者はリスクヘッジとして都度払いを選び、経営者は固定費を抑えた持続可能なモデルを構築することが不可欠です。

何事も先人の失敗から学ぶのが、最も堅実で近道といえます。
この記事が、あなたのサロン選びや事業計画を後悔のないものにする一助となれば幸いです。

※この記事は美容機器専門家・YUNAの監修のもと作成しています。
※記載内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の製品の効果・効能を保証するものではありません。